ピクサー流 創造するちから

会議

・会議は120%の集中で臨む

・会議は関係性や役職に関係なく発言する

 

会社

・会社は自分たちのものだ。もっと自分たちで決めていけばいい。

 

制作プロセス

・第一の原則は、「物語が一番偉い(Story is King)」

・第二の原則は、「プロセスを信じよ(Trust the Process)」

・ブレイントラスト会議

ピクサーには、制作中の作品に対して、専門家が集まり、意見する会議がある。

 

ピクサーが集合的な思考の意識転換を図るために使用しているいくつかのメカニズム

1.全員で問題解決

2.現地調査でつかむ本物感

3.制約の力

4.テクノロジーとアートの融合

5.短編で実験する

6.観察力を養う

7.反省会

8.学び続ける

 

 

巻末付録にある至言

複雑な概念を簡単なスローガン風にまとめると、「分かったような幻想」を抱かせ、その力を弱める危険があることは承知している。繰り返す価値のある格言は、すでに半ば意味を失っている。結局、口にはしやすいが、行動に結びつかないただの言葉になる。

 これは常に胸に。

 

 

以下、引用。

ピクサーの創造的プロセスにとって、率直さほど重要なものはない。それはどの映画も、つくり始めは目も当てられないほどの「駄作」だからだ。「駄作」を面白くすることがブレイントラスト会議の仕事だ。

本音で語れる環境こそ、いいものをつくる唯一の方法 

率直さは残酷ではない。何も壊さない。反対にフィードバック制度は、自分自身も経験しているからその痛みを理解できるという共感、全員の当事者意識のうえに構築すべきだ。自尊心を満足させたいという欲求、功績を認めてもらいたいという欲求、そうした感情を持ち込ませないよう努力している。批評の目的はただ一つ、助け合い、支え合うことによってよりよい映画を作ることだ。ブレイントラストはその考え方に基づいて成り立っている

監督は、提案や助言に従う必要はない。ブレイントラスト会議後、フィードバックにどのように対処するかは監督に任されている。

美術的な技巧を凝らそうと、物語がきちんとさえしていれば、視覚的に洗練されているかどうかなど問題にならないのだ 

無知と旺盛な成功欲求の組み合わせ以外に、短期間での学習を促すものはない 

イデアをきちんと形にするには、第一に良いチームを用意する必要がある。優秀な人材を揃えよというのは簡単だし、実際に必要なのだが、本当に重要なのはそうした人同士の相互作用だ。どんなに頭のいい人たちのチームでも、相性が悪ければ無能なチームになる。したがって、チームを構成する個人の才能ではなく、チームとしてのパフォーマンスに注目したほうがいい。当たり前のように聞こえるかもしれないが、私の経験から言って、決して当たり前ではない、重要な原則がある。いいアイデアよりも、適切な人材と適切な化学反応を得ることの方が重要なのだ 

品質は最良のビジネスプランである。品質は日常の一部であり、考え方であり、生き方であるべきだ

メンバー全員が人知れぬ個人的な意図ではなく、純粋に目の前の作品に集中していた。言い争いはしょっちゅうで、ときに白熱もしたが、つねにプロジェクトのことでだった。自分のアイデアだと言い張ったり、上司を喜ばせたり、得点を稼いだりといった職場にありがちな水面下のやりとりにはまったく興味がなかった。メンバーは互いを同等の仲間だと見なしていた。ブレイントラスト会議で、相手がヒートアップしても、それは問題解決に向けた熱意の表われであり、自分に向けられた感情ではないことを誰もがわかっていた。そうした互いへの敬意や信頼関係のおかげで、彼らは凄まじい問題解決能力を発揮した

計画を立てるのは大事なことで、ピクサーでもしているが、クリエイティブな環境でコントロールできる範囲は限られる。一般的に言って、やり方を考えることにエネルギーを注ぎ、行動に写すのは早すぎると言っている人は、何も考えずにどんどん進める人と同じくらいの頻度で失敗している。計画が入念すぎる人は、失敗するまでに人より時間がかかる

効率化や増産が究極の目標に取って代わり、それを社員が正しいと思い込めば会社は破綻する。・・・このような考え方では、想定内の独創性のない作品しか生まれない

映画のアイデアであれ、インターンシップ制度であれ、新しい物事を始めるのには保護期間が必要だ。いつもと同じ仕事には必要ない。確立されたアイデアや仕事のやり方を守るのに努力はいらない。既得権者が得をするようにできている。それに挑む者が足がかりを得るにはサポートが必要だ。過去ではなく未来の新しいものを保護するには意識的な努力が不可欠だ

いいアイデアは、ふざけて冗談を言い合ったりする中で生まれることが多いんですが、自分が許可しなければそういう空気は生まれません。Youtubeで動画を見たり、週末の出来事を報告しあったりするのは時間の無駄のように思えるかもしれませんが、長い目で見ると非常に生産的なんです。創造性のことを『関係のない概念やアイデア同士の予期せぬ組み合わせ』と言った人がいましたが、それが本当なら、その組み合わせが生まれる精神状態があるはずです。だから行き詰ったと感じた時は、いったん全てを止めて、僕もチームもほかに目を向けて、しばらくしてムードが変わったら再度問題にタックルします

 

 

 

ピクサー流 創造するちから―小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法

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